私にとっての『空間概念』とは?

小学4年生の冬、大原美術館のショップで、人生で初めて「この絵はがきが欲しい」と手にしたのが、ルチオ・フォンタナの『空間概念 期待』だった。

教科書に出てくる有名な名画でもなく、分かりやすい物語画でもない。
キャンバスという物質に刃物を突き立て、物理的に切断された不穏な亀裂。

なぜ少年だった自分は、あの赤い傷跡に理屈抜きで惹きつけられたのか。
それは、キャンバスに描かれた「2次元の表現」の枠を超え、キャンバスという構造そのものを切り裂いて「裏側の空間」に触れる試みだったからだ。

表面を飾り立てるのではない。重厚なUIや過剰なフレームワーク(表層)を一閃で切り裂き、奥底に眠る「本質構造(インフラ)」を露出させること。

私にとっての『空間概念』とは、最少構成で制約を穿ち、表層の向こう側にある真理へアクセスする思考そのものである。

CONCETTO SPAZIALE
ATTESE 表層の枠組みを破り、本質を露出させる。