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01 // PHILOSOPHY & POLICY

哲学とポリシー― 隙間ケーブルの思考法と最少構成のエンジニアリング ―

01

「通訳者」としての課題解決

「社内SE、情シス、そしてSIerの神髄は『優秀な通訳者』であることだ。」
要求をそのまま鵜呑みにするのではなく、過剰な膨張は適切にコントロールし、クライアントが真に求めている目的へと導く。自分もクライアントも、最後は「できた!」と笑顔で達成感を分かち合える着地点を目指す。

ビジネスや現場から上がってくる「システムを作りたい」「○○のクラウドを導入したい」という要望は、しばしば本来の目的と手段が混同されています。言われた通りの仕様をそのまま形にするだけの「作業者」ではなく、要件を解きほぐして本質的な課題を見抜き、最も合理的で安全な回路へ誘導することこそがエンジニアリングの使命です。

02

マーケティング格言の先を穿つ「隙間ケーブルの哲学」

マーケティングの有名な格言に「ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく『穴』である」という言葉があります。これは「製品(手段)ではなく成果(目的)を見よ」という教訓です。

しかし、私はもう一歩先を問い直します。「なぜ彼は穴を開けたいのか?」

もし「隣の部屋へ配線を通すため」に穴を開けようとしているのなら、壁に傷をつけるドリルも穴も不要です。
サッシの隙間をすり抜けるフラットな「隙間ケーブル」を1本提案すれば、建築的なリスクも施工コストもゼロで課題は100%解決します。

常に自らにこう問い続ける姿勢を忘れません。

03

制約の中でこそ宿る試行錯誤の美

私は、コンピュータや家庭用ゲーム機が急速な成長を遂げる過渡期とともに歩んできました。ファミコンに胸を躍らせ、PC-8801/9801の青い画面に触れ、DOS-BASICでクイズプログラムを組み、PowerPCでCADを叩く。Windows 95から2000に至るOSの奔流の中で、「限られたメモリ容量と計算資源」を限界まで絞り出す試行錯誤を身体で覚えてきた世代です。

ATtiny10(1KB / 32B)での原体験
米粒ほどのサイズしかない超小型マイコン。SRAMわずか32バイト、プログラムメモリ1KBという極限の制約下で、1バイトと格闘しアセンブリを叩いた経験が「軽さこそ正義」という揺るぎない転換点となりました。
潤沢な計算資源に対する違和
CG制作会社の情シスとしてハイスペックマシンが並ぶ現場に触れた際、「リソースに甘えて最適化を放棄する者」と「それをテコに新しい表現を模索する者」の二種類を見ました。無駄な肥大化を排し、軽さを追求することこそ技術の真価です。